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チェンバース ローズウッド ヴィンヤーズ ラザグレン マスカット*オーストラリアでしか作られない特別な甘口ワイン【ワイン日記】

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ワインの教科書でしか見たことのなかった、オーストラリアの甘口ワイン「ラザグレン・マスカット」を飲みました。

歴史ある産地、ヴィクトリア州のラザグレンでのみ生産される酒精強化ワイン(※)です。

ラザグレンという産地について勉強しましたので、まとめてみます。

※発酵途中の糖度を残した状態でアルコールを添加し発酵を止めるため、甘みがありつつアルコール度数が高いワイン(甘さを残さない辛口タイプも有)

 

Chambers Rosewood Vinyards Rutherglen Muscat 

まずは飲んでみました。

瓶口から出てきたワインがとろりとしていて、かなり濃密であることを伺わせます。

鼻を近づけると、ぐわっと強いアルコール感。

干しブドウとオレンジの豊かな香りがします。

シェリーのような熟成香(おそらくランシオ香というやつ)、カラメルのような香ばしさ、そして不思議なくらいオレンジの香りに支配されていました。

口に含むと、まったりとした重さが舌に乗っかります。

オレンジピールのチョコレートがけを思わせる味。

そして後味にコーヒーのようなほろ苦さと、想像していた以上に酸をしっかり感じました。

表現がオレンジしかなくてすみません、原料はマスカットです。

 

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購入時お店のお兄さんに、「甘口のシェリーやポートワインよりは軽やか」と言われましたが、口に含んだ時のこってり感と香りや味わいの複雑さは、私の甘口ワイン歴の中では類を見ない感じがしました。

なんだかオーストラリアワインのイメージとは違うクラシックな印象。

 

そんな感じでお気に入りとなったラザグレン・マスカット、毎晩少しずついただいています。

750mlで26ドル、アルコール度数も糖度も高く持ちが良いので、長く楽しめて経済的。

私は、美味しい甘口ワインを飲んだ時「大人になってよかった」と心底思います。

 

ラザグレンについて

ヴィクトリア州のマレー川沿い、ニューサウスウェールズ州との州境にある産地です。

 

 

ラザグレンの歴史

ラザグレンのワイン造りの歴史は1850年代まで遡ります。

1850年代後半にいくつかのワイナリーが設立され、ブドウ栽培がスタート。

1880年代には大きな発展を遂げ、オーストラリアワイン全体の3分の1の生産量を占めていたそう。

その後、フィロキセラの襲来や甘口ワイン離れなどの困難を乗り越え、現在19の生産者がWinemakers of Rutherglenという団体を構成し、ラザグレンワインの発展に尽くしています。

もちろんこの19の生産者には1850年代から続くワイナリーも含まれています。

 

このWinemakers of Rutherglenのウェブサイトがとても素敵。

ラザグレンの伝統を守り、次世代へ向けて盛り上げようという様子がひしひしと伝わってきます。

他国には女王のような甘口ワインが君臨しているし、知名度の高い産地とは言い難いけれど、歴史あるラザグレン・マスカットを応援したい気持ちでいっぱいになりました。

 

www.winemakers.com.au

 

ラザグレンで栽培されるマスカットと醸造方法

マスカットにはなんと200種類もの品種があります。

ラザグレン・マスカットに使われているのは、高品質なミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュ(赤い実の小さいマスカット)という一種類のみ。

地元の生産者は、ラザグレン・ブラウン・マスカットと呼んでいるそうです。

 

温暖で乾燥したラザグレンの気候の中で、木につけたままブドウが完全に熟すのを待ちます。

高糖度のマスカット果汁から造られた発酵途中のワインに、グレープスピリッツを添加し発酵を止め、糖分と高いアルコールを残します。

その後、最短5年、最長105年もの間樽で熟成。

ラザグレン・マスカットは、ひとつの生産年のワインとして瓶詰めされることはほとんどなく、多くのヴィンテージをブレンドして造られます。

ほとんどのワイナリーで、3・4・5世代に渡り受け継がれてきたワインを注ぎ足してブレンドするソレラシステムを採用しているそう。 

 

 

 

また、ラザグレン・マスカットは熟成期間や残糖分によって4種に分類されています。

  • Rutherglen Muscat → フレッシュなレーズンのアロマ、豊かな果実味、クリーンな風味。5年の熟成。残糖分は180〜240g/ℓ
  • Classic Rutherglen Muscat → 厳選された小区画のブドウをブレンドすることで、より一層の豊かさと複雑さを表現。熟成期間は6~10年。残糖は200~280g/ℓ
  • Grand Rutherglen Muscat → より長い熟成期間による、味わいの奥深さ、濃密さ、成熟感。熟成期間は11~19年。残糖は270〜400g/ℓ
  • Rare Rutherglen Muscat → その名の通り、最高峰の希少なラザグレン・マスカット。最も完成度の高いワインのみを厳選してブレンド。レア・ラザグレン・マスカットは毎年ごく少量のみ生産。息をのむほど素晴らしく豊かな風味を楽しめる。最低熟成期間20年。残糖は270〜400g/ℓ

 

今回私が飲んだのは、熟成期間も5年程、糖度も一番低いタイプ。

それでも濃密さや複雑味をしっかり感じたので、もっと熟成が進み糖度が高かったらどんなことになっているのか本当に飲んでみたい!

でも、レア・ラザグレン・マスカットはハーフボトル(375ml)で250ドルという、超高級品。

 

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生産者チェンバース・ローズウッドについて

chambersrosewood.com.au

 

チェンバース・ローズウッド・ヴィンヤードは1858年設立、6世代に渡る家族経営のワイナリーです。

国際的にも高い評価を受けた偉大なワイナリーですが、気取った様子がなく、どこまでもアットホームなところが魅力なんだとか。

チェンバース・ローズウッドのラザグレン・マスカットは日本にも輸出されています。

 

 

バニラアイスクリームにかけてみた

ワインショップのお兄さんが「アイスクリームにかけると美味しいぜ!」と言っていたのでやってみました。

わぉ、最高に美味い。

あまりの美味しさにドボドボ注ぎ足すと、酸味が強く感じられてバランスが悪くなってしまいました。

欲張らずに少しずつかけるのがおすすめです。

いつものバニラアイスが一味深みを増し、美味しい大人のデザートになりました。

また、ワインメーカーズ・オブ・ラザグレンは様々なマスカット・カクテルをおすすめしています。⇒Winemakers of Rutherglen | Muscat Cocktails

特に20年以上熟成のレア・ラザグレン・マスカットを使ったアフォガードは写真見ただけでヨダレが出そうでした。

 

おわりに

オーストラリアは、ファンキーだったりファッショナブルなワインも多く、つい数年前に設立され既に知名度の高いワイナリーもたくさんあります。

そんな中でこれだけ歴史や決まり事のあるワインはめずらしいなぁと思うと同時に、代々受け継がれるこのワインにあたたかさを感じました。

伝統あるラザグレンに敬意を払い、今日もまたラザグレン・マスカットをいただきます。

 

美味しいワインをありがとうございます。